FX-世界の市場とその特徴-

前回は世界の通貨(FXで取り引きが行われている主な通貨)についてお話ししました。

今回はFXが24時間取り引きできる理由、世界の市場についてのご紹介です。

この記事で分かること

・FXの主な市場とその特徴
―東京市場
―ロンドン市場
―ニューヨーク市場

市場の特徴を把握することで、自身のトレードスタイルに合った市場を選ぶことができます。

 

FXが株と異なる特徴として挙げられる理由の一つに「24時間取り引き可能」があります。
これは世界のどこかの市場はオープンになっているからです。
と言っても土日や正月などのクローズ時間はあります。

また、市場がオープンになっていても、市場参加者が少ないとスプレッド(業者の手数料のようなもの)が開き、また、値動きも激しくない傾向にあるため、ポジションを持ったとしてもマイナスのまま保有しないといけないケースが多いことから、以下に示すような参加者が多い時間帯を狙ってトレードした方が勝率は良くなります。

では、世界にはどのような市場があるのでしょうか。

主な市場とその特徴について触れていきます。

目次

世界の市場

世界の市場のスタートはニュージーランドのウェリントン市場です。
そこからオーストラリアのシドニー、東京市場、ロンドン市場、最後はニューヨーク市場と日付変更線の近くの市場からスタートし、時間を追うごとに西へメインの市場が移っていきます。

それぞれの主要な時間帯

※FXには米国サマータイム制度があり、夏時間は1時間早い時刻を使います。
夏時間(サマータイム)は3月第2日曜日~10月、冬時間は11月第1日曜日~2月となっています。
取り引きのあるFX業者から、切り替わる時期になるとお知らせが届きますので、見逃さないよう注意しましょう。

各市場の特徴とは

東京市場

ゴトウビと呼ばれる「5」「0」のつく日は輸入企業の決算日であることが多く、海外への支払いのために米ドルが買われる傾向にあります。
FX市場でもゴトウ日には東京時間の仲値(9時55分)の時間にかけて取り引きが活発に行われ、ドル円を中心に短期的なトレンドが形成されやすい特徴があります。
この時間帯を過ぎた後は一服感で値が落ち着く場合もありますので、ピーク時にドル円ショートを持った短期的なトレードも狙えそうですが、必ずしも値が下がるわけではありませんので、個人的にはオススメしません。

また、東京市場はロンドン市場やニューヨーク市場に比べて値動きが激しくないため、東京市場でトレードをしないトレーダーがほとんどでしょう。
専業でもない限り、この時間帯にチャートを見続けることができないのも副業トレーダーが参加しない理由の一つです。

東京市場は午後になると一層穏やかな値動きになるのが特徴です。

東京市場の注意点

週明けの値動きが激しい場合があります。
アメリカの大きな経済指標があった際、当然東京市場はクローズしていますが、その余波が翌日、または週明けの東京市場に波及する場合があります。
ポジションを持ち越すのはリスクを伴いますので、特に経済指標をまたぐ際には注意が必要です。

日銀の発表には注意しましょう。
世界には日銀の発表よりも影響力のある発表がありますが、それでも日銀の政策によっては急な為替変動が生じるケースがあります。
どのトレードも同じですが、東京市場が穏やかだからという理由に関わらず、必ずポジションにはロスカットライン(損切り設定)は入れるようにしましょう。

過去、東京市場がオープンになっている時間帯に北朝鮮からのミサイルが飛んだことがあり、急な為替変動が起こりました。
日本は他国と比べて地政学的リスクは低いですが、他国からの脅威によって為替変動が生じる場合があります。

ロンドン市場

いわゆる「ロンドン時間」は世界1位の取引高があり、最も市場参加者が多く、値動きが激しいのが特徴です。
市場の前半は東京市場と重なり、市場の後半はニューヨーク市場と重なります。
東京市場で発生したトレンドを一瞬で打ち消して、逆側のトレンドを形成することもあります。また、東京市場のトレンドを引き継ぎ、それを大きく発展させるのもロンドン市場の特徴と言えます。

ロンドン市場のメインの通貨は「ユーロ」と「ポンド」です。
トレードに臨むならこの2つの通貨と米ドルを絡めた通貨ペアをオススメします。

ロンドン市場の注意点

「ロンドンフィックス」とは、銀行が顧客と外貨取引する際の基準取引レートを決める時間帯です。
夏時間なら24時、冬時間であれば25時がロンドンフィックスの時間です。
相場に最も影響を与えるのは月末ですが、この時間帯は売買が盛んになり、一層激しい値動きを見せます。
投資信託やヘッジファンドなどの機関投資家は月末のロンドンフィックスで大口の取引を行うことが多いため、それに伴って値動きが激しくなるのがその理由です。
この値動きを追ったトレードをすると、思わぬ負けに繋がる可能性もありますので、最初はノーポジションでいた方が無難です。

ロンドンフィックスで注意するべき通貨ペア

・ポンド円(GBPJPY)
・ポンドドル(GBPUSD)
・ユーロ円(EURJPY)
・ユーロドル(EURUSD)

ニューヨーク市場

ロンドン市場同様、市場参加者が多く、ボラが大きいことが特徴として挙げられます。
この市場での最も大きな特徴は、経済指標等の発表があることです。要人の発言により、今までのトレンドが逆転し、もしくはそれ以前に形成されたトレンドが伸び、経済指標を狙ったトレードは当たれば大きく資産を増やすことも可能です。
雇用統計やFRB議長の発言が控えている場合、その週はドル絡みの値動きが抑え気味になる傾向があります。

ニューヨーク市場の注意点

重要な経済指標には特に注意が必要です。
トレードをする上で必ず覚えておきたい指標は「雇用統計」「FOMC政策金利発表」です。
雇用統計は月初第一金曜日の21時30分(冬時間は22時30分)に発表され、この発表の前後は激しい値動きを見せます。
この「お祭り」に参加したものの、発表前の値動きで口座を溶かしたトレーダー、爆益から爆損へ叩き落されたトレーダーは数多くいます。

市場の特性を活かしたトレードを

主な市場を紹介しましたが、それぞれ中心となる市場の通貨が取引量の多い通貨です。
つまり、東京市場でユーロポンドをトレードするよりも、ロンドン市場でユーロポンドを取り引きした方が値動きがあり、「トレンドに乗りやすい=勝ちに繋がりやすい」、ということです。

初心者の頃は一定方向に動きを見せたチャートに沿ったトレードをした方が勝ちに繋がりやすいため、勝つことが体得できるようになるまでは市場のメインとなる通貨を軸にすることをオススメします。
米ドルは基軸通貨なので、ドルストレートはどの市場でもオススメです。

 

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