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FXとは
ある国の通貨を別の国の通貨に交換することを外国為替と言い、英語では「Foreign Exchange」と表記します。これを略して「FX」と呼ぶようになりました。
ご存じの通り、FXで取り引きされるのは「通貨」です。
テレビやニュースでよく聞く、「1ドル140円」は、通貨の交換レートを指します。
世界には様々な通貨がありますので、この交換レートによって取り引きがなされていることになります。
FXで取り引きされる通貨
FXでは世界各国の通貨を取り引きすることができます。
日本に住んでいるからと言って、円絡みだけしか取り引きできないといったことはありません。
ユーロドル、ポンドオージーなど、FX業者が取り扱っている通貨同士ならどの組み合わせでもトレードすることが可能です。
まずはFX業者が取り扱っている主な通貨をご紹介します。
通貨の名称(呼称)、略称を示します。
米ドル:USD
圧倒的な流通量があり、国際間の取り引きで使用される「国際決済通貨」や、金、原油などの取り引きに使用される「基軸通貨」です。
流動性が高く、その取引量から、相場における変動は比較的小さい傾向ではありますが、2022年はボラ(正式:ボラティリティ(volatility);価格の変動率を指す)が高い傾向にあります。
「有事のドル買い」と言われるほど、信頼性の高い通貨で、ドルにはカナダドル、オーストラリアドル、香港ドルなどがありますが、一般的には「米ドル」のことを意味します。
円:JPY
米ドル、ユーロに次いで流動性が高い通貨です。
安全資産として見られる側面があり、「有事の円買い」と言われています。世界情勢が緊迫した中では円が買われる傾向にあるものの、海外の金利が上昇し、円の金利との格差が開いてしまったため、円を保有するメリットもないことも一つの要因となり円安が進んでいます。
ユーロ:EUR
欧州連合の通貨であり、取引量は米ドルに次いで2位です。
ロシアやアラブ諸国に近いことから、それらの国々との深い関係があります。
ユーロ圏内、近隣諸国での紛争、経済危機といった緊張感が高まるとユーロが売られるといった地政学リスクを持っています。
ポンド:GBP
世界で第4位の取引量がある通貨です。
大英帝国時代から第二次世界大戦までは世界の基軸通貨でした。世界の覇権争いでアメリカに取って代わられた歴史的背景があります。
以前はEUに加盟していましたが、ユーロの導入は見送り、BOE(イングランド銀行:イギリス中央銀行)が紙幣を発行し、制作金利のコントロールを行っています。
FX業界でポンドは「殺人通貨」と呼ばれるほど価格の変動幅があるのが特徴です。
オーストラリアドル(オージー):AUD
オセアニア地域の通貨の一つで、世界第5位の取引量があります。
オーストラリアの主要貿易相手国は中国です。つまり、中国の経済状況の影響を受けやすい傾向にあります。
2021年3月頃から中国との外交が悪化してきた影響を受け、相関関係が薄くなってきています。
ニュージーランドドル(キウイ):NZD
オーストラリアのお隣の国であるニュージーランドもオセアニア地域に分類されます。
オーストラリアと同じような値動きをするのが特徴です。
オーストラリアドルニュージーランドドル(AUDNZD)は長期的に見てオーストラリアドルが優勢ですが、レンジ相場(一定の価格帯で上下すること)になりやすいのが特徴として挙げられます。
カナダドル(ルーニー):CAD
アメリカと近いことから、米ドルと似たような値動きを示す傾向にあります。
カナダは天然資源が豊富です。石油、天然ガス、金属、鉱物資源、森林資源に恵まれており、資源国通貨という側面もあります。
原油価格の影響を受けやすい特徴があり、原油価格と連動して同じように上昇、同じように下落するシーンが見られます。
スイスフラン:CHF
ご存じの通り、スイスは永世中立国です。そのため「安全通貨」という側面があり、地域紛争やテロなどが起こった際にスイスフランが買われる傾向があります。
スイスは通貨の40%相当分を金として持っていることを受け、金相場が上昇するとスイスフランの資産価値が向上するため、結果的にスイスフランが上昇するといった可能性があります。
2015年1月に「スイスフランショック」という歴史的大暴騰があり、世界中のトレーダーが一瞬で破産し、その反面一瞬で富豪になった事件がありました。
南アフリカランド:ZAR(ザール)
金の採掘地としても有名な南アフリカは、自国の資源が豊富にある資源国です。
資源価格は景気に左右されやすく、景気が悪化すると資源の輸出量が減少するため、南アフリカの経済が悪化する側面があります。
高い政策金利を打ち出しているため、ランド絡みの取り引きは高い※スワップを稼ぐことが可能です。
※スワップとは簡単に言うと2国間の金利の差のことです。日本は金利が低いため、他国の通貨を買い(ロング)、円を売る(ショート)での取り引きを行うと、スワップポイントが発生し、利息(のようなもの)を獲得することができます。
※ただし、スワップ目当てで取り引きすることはこのサイトでは推奨していません。政策金利が高い国は情勢的に不安定な部分もあり、通貨の価値が下がった際に、獲得したスワップポイント以上の損失が発生する可能性があるからです。
トルコリラ:TRY
南アフリカランド同様、高い金利が魅力の通貨です。
そのため国内FX業者はトルコリラの取り引きを勧める業者が多いのが特徴です。
発展途上国のため地政学的なリスクも多く含んでおりますので、安易に取り引きに臨むことは控えた方が良いでしょう。
FXによって資産が増える仕組み
円で考えてみましょう。
例えば、現在1ドル140円だったとした場合、140円を支払って1ドル紙幣と交換します。
翌日、1ドル150円へレートが変動したとすると、あなたの持っている1ドル紙幣は円に換金すると150円となって戻ってくるわけです。つまり、10円の儲けですね。
実際には手数料等が発生するのでこの通りにはなりませんが、分かりやすく説明するとそんなイメージです。
円安・円高とは
聞き馴染みのある1ドル〇〇円。
1ドル140円か1ドル150円。
どちらが円高だと思いますか?
為替初心者の方でしたら1ドル150円の方が円高!と思うかも知れませんね。
実際に140から150円へ数字が大きくなっているのですから無理もありません。
先ほどの考え方に当てはめてみるとよく分かります。
相手は1ドル紙幣です。
それを140円支払って交換するか、150円支払って交換するかの違いです。
あれ?1ドル150円になった方が、円の価値が下がっているのでは?
そう思ったはずです。
つまり、1ドルに対しての円の強さなので、1ドル対1円に近づくほど円高、ということです。
このように、円高・円安とは、円の価値が高いのか、安いのかを指します。
円がどのくらいならバランスが取れているかについては時代によって変わります。
かつては1ドル70円台という超円高時代もありました。
FXと株、どちらが儲かる?
FXの最大のメリットは、レバレッジがかけられる、という点です。
レバレッジとは、手元にある証拠金(資金)以上の資金分を元手にして取り引きに臨むことができることを指します。
国内(個人)では25倍までのレバレッジがかけられますが、海外では400倍、888倍、中には1,000倍のレバレッジがかけられる業者もあります。
つまり、小資金から大きく資産を増やすことができるのがFXの魅力です。
世間で言う億トレを目指すには海外FXが近道と言えます。
また、FXは不景気だったとしても資金を増やすことが可能です。
なぜなら、株は基本的にチャートが右肩上がりになることが資金増加の条件になりますが、FXは買い、売り、どちらでも資金増を狙うことが可能だからです。
ただ、FXは資金が消滅する可能性もあることは十分理解しておく必要があります。
これに対し、株取り引きは対象となる会社が倒産しない限り資金がゼロになることはほぼありません。
大きく資産を増やしたトレーダーは「数千万クラスの資産を運用するなら、株の方が向いている」と言います。
海外FXの大きな特徴であるレバレッジですが、ある一定の元金を超える取り引きについてはレバレッジが下がるケースがあります。
これは業者によって異なるので、事前に確認しておく必要があります。
まとめ
FXの特性を活かすことができれば、あなたの資産を増やす頼りになる存在になるはずです。
少額からスタートできますので、まずはお小遣い程度から始めてみることをオススメします。