
FX初心者の頃は、例えばドル円が30銭上がった、50銭下がった、だからいくら儲かった、損をした、と考えるかと思います。
ニュースなどで〇〇銭の変動を耳にしますので、円絡みの場合はこれで大丈夫ですが、FXでは「銭」という単位は基本的に使いません。
ではどういった単位になるのでしょうか。
変動の単位はpipsを使う
・pips(ピプス、ピップス、ピピ)とは
・なぜこの単位なのか
トレードスタイルに合わせた目標pips
これらについて解説します。
目次
変動する単位
FXでは変動する単位を「pips」(日本語読み:ピプス、ピップス、ピピ(略語))で表します。
なぜ「銭」を使わないのでしょうか。
その答えは非常に単純です。
例えばドル円、ポンド円、ユーロ円など、円絡みの場合は「銭」や「円」という私たちに馴染みのある単位で表すことができます。
ところが、FXではクロス円の取り引きだけではありません。
ユーロドル、ポンドドル、ユーロオージーなど、円がその通貨ぺアに存在しない場合、「銭」や「円」で表現することができません。
その際に使われるのが「pips」という単位です。
この単位を覚えれば、ドル円もポンド円も全て「pips」で表すことができます。
ドル円は「pips」でどう表されるのか
まずはドル円で考えてみましょう。
ドル円が1ドル140円で141円に上昇したとします。
その場合、「100pips」上昇した、と表します。
同じく、ドル円が1ドル140円から139.5円へ下落したとすると「50pips」下落したと表します。
持っているポジションが1万通貨の場合、100pips変動すれば、1万円の含み益、含み損が発生することになります。
※含み益の額は参考程度にお考えください。
1万通貨、10万通貨の考え方はコチラをご参照ください。
「pips」についての考え方を身につけることにより、どの通貨ペア、あるいはCFDでも応用することができるようになります。
pipsについての詳しい解説
FXでpipsは通貨の動きの測定単位であり、ほとんどの通貨ペアで小数点第 4 位を指します。

ユーロドル4時間足

数字が大きい2桁に注目
例えば、EURUSD(ユーロドル)が1.0376から1.1.0377に移動した場合、それは1pip(ピップ)の変動があったことを意味します。
しかし、最近ではほとんどのFX業者は通貨ペアの小数点以下 5 番目も表示しています。
※上の図の左側1.03763は売値、右側1.03766は買値。
ほとんどの通貨ペアでは、pipsは価格相場の小数点以下4番目に数えられます。
例: 0.123( 4 ) ここでは4桁目をpipと見なします。
クロス円、米ドル円の場合は小数点以下が異なる

円の場合は桁が異なる
USDJPY、GBPJPY、AUDJPY、EURJPY などの日本円通貨ペアでは、ピップは価格相場の小数点以下2番目でカウントされます。
上の図で言う「139.26」(売値)の場合、小数点以下の2桁目は「6」です。
したがって、2桁目の「6」はpip(ピップ)と見なされます。
これらはpip(ピップ)の意味で、小数点以下の桁数(通貨ペア)によって異なります。
FXでpipsが重要な理由
pipsはある価格から別の価格まで市場が移動した距離を測定するために重要です。
これはリスクに直接影響するため重要です。
1pipがどれくらいのボリュームになるかが分からない場合、理想的なトレードポジションのボリュームを正確に計算することはできず、トレードのリスクが大きすぎたり小さすぎたりする可能性があります。
pip(ピップ)とは、センチメートル、インチ、メートルなどの距離の測定に似たFXの測定単位です。
pipsは為替価格の値に応じて大変重要で、上で示したように通貨ペアごとにピップ値が異なります。
トレーダーがFXでの利益と損失を表すために「銭」ではなく「pip」を使う理由がお分かりいただけたかと思います。
おさらい
ピップは実際にどのように使われるのか?
通貨市場では、通貨ペアの価値は「ピップ」という名前で測定されます
1 ピップ = 0.0001 (最小の価格変動)
2 ピップ = 0.0002
3 ピップ = 0.0003
例: EURUSD が 1.1282 から 1.1283 に移動する場合、0.0001 USD の増加であり、1ピップの移動です。
目標pipsとトレードスタイルについて
獲得できるpipsは多ければ多いほど利益に反映されますから、誰しも目指したいところです。
しかし、獲得できる利益は相場に依存しますから、狙った利益を獲得できないこともあります。
さらに、トレードの回数が増えるのはリスクを増やすことに繋がりますので、できるなら少ないトレードで多くの利益を獲得したいものです。
そうは言ってもトレーダーが全て同じ生活スタイルを送っているわけではないため、短時間で理想とする利益を得たり、長期的視点でトレードを行う必要が出てくるかも知れません。
人によってトレードできる時間帯は違います。
トレードスタイルによって狙えるpipsも異なるのは当然ですが、一般的にどのトレードスタイルがどれくらいの値幅を狙うのか気になるところですよね。
ここでは大きく分けて3つのトレードスタイルとスタイルによって狙うpipsをご紹介します。
スキャルピング
ポジションを取って数秒~数分以内に決済するトレード手法を指します。
チャートを見守り、チャンスがあれば瞬間的に利益を獲得するトレードスタイルです。
獲得するpipsは数pips、10pips程度ですが、とにかく手数が多く、小さな勝ちを積み重ねて目標とするpipsに到達させるイメージです。
これを専門で行う方のことを「スキャルパー」と呼んだりします。
スキャルピングのメリットは、どの相場でもトレードに臨むことができる点です。
とにかく手数の多さがメインになるため、チャンスが訪れればトレードといったスタイルです。
スキャルピングのデメリットは大きな損失が発生した際に、そのリカバリーが難しい点です。
獲得できるpipsが少ないということは、大きな損失を被った場合の回復が難いことを意味します。
この損失をカバーするためには勝率の高いトレードを繰り返し、細かく利益を積み重ねるか、チャンスがあった際に大きなロットで一気にカバーするかの2択になります。
以下で紹介するデイトレードやスイングトレードは、スキャルピングと比較して手数が少ない(ポジション数が少ない)ため、トレードするタイミングが1日に数回、あるいは週や月で数回というレベルです。
デイトレード
ポジションを取って当日に決済。あるいは2、3日保有して決済するのがデイトレードです。
決済するタイミングは相場状況次第のため、週をまたいで決済することもあります。
目標とするpipsは数十pipsから百を超えるpipsです。
基本的には当日に決済をするデイトレードでは、百を超えるpipsを狙うのは現実的ではありません。
しかし、荒れた相場であれば狙うことが十分可能です。
デイトレードのメリットは、自身が得意とする相場、相場のパターンでポジションを取り、安定的な利益を積み重ねることができる点です。
デメリットは、チャンスがなければポジションを取らないため、トレードしない日が訪れることがある点です。
ポジポジ病が発症してしまうと、チャンスでもないのに無理やりポジションを取って、負けトレードを繰り返してしまう点です。
FXを副業とするサラリーマンはデイトレードのスタイルが圧倒的に多いです。
保有したポジションを長期的に持ち越すのはリスクを抱えることに繋がるため、ある程度の含み益が出たら決済するのが精神的負担も少なく、好まれるスタイルなのが理由です。
スイングトレード
大きなポジションを取って、決済するまで1カ月以上になることもあるトレードスタイルです。
超長期的なポジションの場合、保有期間は数年に及ぶこともあります。
スイングトレードの獲得目標pipsは一般的に数百pipsです。
月足、週足をメインでチャート分析を行い、大きなロットでポジションを取ります。
スイングトレードのメリットは、大きな目線でチャートを捉えるため、多少の乱高下でも動じることなく、大きな資産増を狙えることです。
反面、デメリットとして挙げられるのは、損切りが大きくなってしまう点です。
まとめ
大きく3つに大別しましたが、それぞれのスタイルに明確な境界線はありません。
特に、デイトレードとスイングトレードはどこを境にしているかの明確な定義はなく、スイング気味のデイトレードだったり、スキャルピング気味のデイトレードもあります。
さすがにひと月持ち越すようなポジションはデイトレードとは呼びませんが、大事なのはトレードスタイルの呼び方ではなく、ご自身がどのスタイルが一番合っているのか、勝ちを積み上げやすいスタイルなのかを見定めることです。
忙しいサラリーマンにとってはデイトレードやスイングトレードが合っています。
でも、全てのサラリーマンにそのスタイルが合っているかどうかは分かりません。
ひょっとしたら、22時~23時までの1時間をトレードにあてて、その間にスキャルピングで利益を積み重ねるスタイルが一番合っているかも知れません。
ただ、初心者の方はスキャルピングは避けるべきです。
細かく利益を積み重ねられるため、面白さはあるかと思いますが、損失をリカバーする技術が初心者には備わっていないからです。
目先の損失に無謀なロットで取り返そうとする意識が強くなり、証拠金を溶かしてしまう結果に繋がる可能性が高くなるのが理由です。
小銭を稼いで大金を失うのは、一番避けるべきトレードです。
デイトレードが一番好まれているスタイルなのは理由があります。
まずは少額からデイトレードをスタートしてみて、基礎を学習しながらご自身のスタイルに合わせたトレードに変化させていくことをオススメします。